皆さんこんにちは。
富山市山室の学習塾「茗溪進学会」塾長の澤木です。
読んでためになり、子供たちが幸せになるヒント情報を発信します。
どうかお付き合いください。
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あなたの「一切れのパン」
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北朝鮮情勢に目を奪われていると、ヨーロッパでも不安定化の動きが加速しています。
イギリスに続き、フランスでもEU離脱派の極右大統領候補が躍進するなど先の読めない情勢になっています。
ヨーロッパの国同士ががまた覇権主義で争いあう時代が来るのでしょうか。
そんな時、危険な国に必ず登場するのが「独裁者」です。
独裁者の代表はナチスドイツのヒトラーですが、私はヒトラーの考え方や、なぜユダヤ人が迫害されたのかを今一度知りたくなって調べていました。
その時、ふと、昔、中学生の国語の教科書にあった「一切れのパン」という話を思い出しました。
非常に政治色の強い話ですし、現代の教科書に取り上げられることはないでしょうが、私はとても好きな話ですからこの機会に紹介します。
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第二次大戦中、ナチスドイツがハンガリーを治めていた時です。
その時、一人のルーマニア人がドイツ軍に拘束・拉致されました。
男が住んでいたのはハンガリーのブタペストでしたが、ルーマニアがソ連と手を組んだためルーマニア人が迫害されたのです。
一緒に捉えられたユダヤ人たちと列車で移送されるのですが、このままでは運命の末路が見えています。
男は何人かのルーマニア人らと脱走を企てます。
非常に危険な命がけの旅になることを覚悟の上、男たちが列車の床を外して飛び降りようとしたそのときです。
ラビという名のユダヤ人指導者が男にハンカチに包んだ一切れのパンを手渡しました。
ラビは「一切れのパンがあれば心強くなれる。苦しい旅になるだろうが、これで最後というときまで食べずに持っていなさい。私も今までそうやってずっと持ってきたパンです。」と言ったのです。
その後、男は何百キロも離れた家まで、地獄のような逃亡生活を続けます。
ドイツ軍兵士の目を逃れ、絶食状態の逃亡生活は飢えとの戦いでした。
何度も「殺されてもいいから降参して食べ物を恵んでもらおう」という思いが頭をよぎります。
実際に包みを解こうとして、ハンカチの結び目に手をかけたこともあります。
でも「ここまで頑張ったのだ。もう少しだけ我慢してみよう。」と思い直し、再びパンを懐にしまって家を目指しました。
そしてついに男は国境を越え家族が待つ我が家までたどり着くことができたのです。
妻の料理の匂いで男はラビからもらったパンを思い出し、ハンカチの包みを出しました。
「これが僕を救ってくれたんだ。」
「何がその中に入ってるの?」
「パン一切れさ」
その時、ハンカチから床に落ちたものは「一片の木切れ」だったのです。
「ありがとう。ラビ・・」
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男は一切れの木切れをパンと信じていたから苦しい旅を続けることができたのです。
「パン」と思えば希望ですが、「木切れ」と知ればそれは絶望です。
希望と絶望は表裏一体のものですが、考え方ひとつでここまで気持ちを強く持つことが出来るのです。
子育ては長い長い旅路ですから、諦めてしまいたくなる時もあるでしょう。
でも我が子を信じて大切に育ててあげて下さい。
あなたにとって「一切れのパン」は何ですか。
それはきっと大切なお子様のはずです。
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